現在生きている人の記憶の中で初めて、カトマンズからエベレストを眺めることができた。上の写真はアブシャン・ゴータムがチョバルから約193㎞離れた世界最高峰を撮影したもので、2か月前にはこの景色を撮ることは不可能だったとネパリ・タイムズは伝えている。
コロナウイルスの感染拡大を防ぐための世界的なロックダウンにより、車の数も減少し、産業は急停止したが、その結果ネパール上空では公害が激減し、きれいな空気が広がっている。
公害や質の悪い空気が原因で起こる呼吸器疾患で来院する患者も、ここ数か月で著しく減っている。
「慢性閉塞性肺疾患の患者で定期的な診察を必要としていた人も、症状が改善されていて通院しない人が増えている。中には酸素セラピーはもう必要ないと連絡してくる人もいます」
ーラジュ・パンゲニ、HAMS病院の肺治療の専門家
カトマンズの渓谷では、車による排気が最も地域の公害の原因となっており、ある研究では地上レベルにおける微細粒子の約70%を占めていると発表された。
懸念されているのは、ロックダウンが解除され人々が日常生活に戻れば、パンデミック以前よりも接触を避けようと公共の交通機関を使用しないことも考えられ、この一生に一度の景色が再びスモッグにより見えなくなるかもしれないことだ。だが、今のところはカトマンズの住民たちはこの魅力的な景色を堪能することができる。
5/22/2020
Translated by Chie Oishi
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